肝斑とシミは何が違う?見分け方と、治療を選ぶ前に知っておきたいこと

夏の紫外線を浴びた頃から、頬のあたりがうっすら茶色くくすんで見える。
ファンデーションで隠してもムラが残り、「これはシミ?それとも肝斑?」と鏡の前で手が止まる——そんな経験はありませんか。
年末の集まりまで約2か月半の今、治療を選ぶ前に、まず違いを整理しておきたい方も多いのではないでしょうか。

肝斑は、頬骨のあたりに左右対称に広がる色素斑で、30〜40代の女性に多いとされています。
シミとは治療の考え方が異なるため、見た目だけで判断せず、診察で区別したうえで治療を選びます。
KYOTO K CLINICでは、トラネキサム酸の内服、ピコトーニング、ルメッカなどから検討します。


肝斑とシミは何が違う?見分け方の目安

「シミ」は、皮膚に生じる色素斑を広く指す言葉です。
ここでは、一般的なシミとして多くみられる 「肝斑」 と 「老人性色素斑(日光黒子)」 の違いについて説明します。

「肝斑」 は、頬骨周辺や額、口の周囲などに、左右対称かつ面状に広がる褐色の色素斑です。境界がはっきりしないことが多く、特に30〜40代の女性に多くみられます。
紫外線を中心とした光の影響や妊娠、女性ホルモンに関係する変化、遺伝的な要因などが、発症や悪化に関係すると考えられています。

一方、「老人性色素斑」 は、紫外線の影響を受けやすい頬やこめかみなどに生じる、境界が比較的はっきりした褐色斑です。
左右対称とは限らず、大きさや形もさまざまです。

ただし、実際の肌では、肝斑と老人性色素斑だけでなく、雀卵斑や炎症後色素沈着、ADMなどが混在していることがあります。
色や左右対称性だけで判断することは難しいため、発症した時期や分布、色調、形状などを診察で確認します。

肝斑と老人性色素斑では適した治療が異なります。
自己判断でシミ取り施術を選ぶのではなく、まず色素斑の種類を見極めることが大切です。


肝斑とシミでは、治療の考え方がどう違う?

肝斑は再発しやすい慢性的な色素斑であるため、まず紫外線対策を徹底し、摩擦や刺激をできるだけ避けることが治療の基本です。
そのうえで、肌の状態に応じて外用薬やトラネキサム酸の内服などを組み合わせます。

トラネキサム酸の内服は肝斑に対する治療選択肢のひとつですが、すべての方に必要なわけではありません。
既往歴や服用中の薬、血栓症のリスクなどを確認したうえで、医師が適応を判断します。

老人性色素斑や雀卵斑に用いられるレーザーのスポット照射やIPLを、肝斑の部分に不用意に照射すると、炎症によって色調が濃くなる可能性があります。
ただし、すべてのレーザー治療が肝斑に使用できないわけではありません。

低出力で顔全体に照射するピコトーニングは、肝斑に対する補助的な治療として検討されることがあります。
一方で、効果には個人差があり、再発や色素脱失などが生じる可能性もあるため、診断と照射条件の調整が重要です。


KYOTO K CLINICでは、シミや色むらのお悩みに対して、次の治療をご用意しています。

  • トラネキサム酸の内服
    肝斑の色素形成に関係する経路へ働きかける治療です。
    既往歴や服用中の薬を確認し、医師が適応を判断します。

  • ピコトーニング
    ピコ秒レーザーを低出力で顔全体に照射する治療です。
    肝斑や顔全体の色むらに使用することがありますが、肌の状態によって適応や照射方法を判断します。

  • ルメッカ(IPL)
    光を顔全体に照射し、老人性色素斑や雀卵斑、赤みなどの改善を目指す治療です。
    肝斑そのものに対する第一選択の治療ではないため、肝斑が疑われる場合は、照射の可否や範囲を慎重に判断します。


トラネキサム酸の内服は、どのくらい続ける?

肝斑に対するトラネキサム酸内服の臨床研究では、8〜12週間程度の治療期間が設定されているものが多く、効果を評価する目安はおおむね2〜3か月です。 (※1
ただし、効果の現れ方には個人差があり、漫然と服用を続けるのではなく、経過と安全性を確認しながら継続や休薬を判断します。

トラネキサム酸は、血栓を直接作る薬ではありませんが、血栓を溶かす「線溶」の働きを抑える作用があります。
肝斑治療に用いられる用量で血栓症が起こる頻度は高くないと考えられていますが、リスクを完全に否定することはできません。

血栓症の既往や家族歴、凝固異常を指摘されたことがある方、低用量ピルなどのエストロゲンを含む薬を服用している方、喫煙されている方は、必ず診察時にお伝えください。また、風邪薬やのどの薬などにトラネキサム酸が含まれている場合があるため、ほかの医療機関や市販薬を含め、服用中の薬を確認することが大切です。


ほかの施術との違いは?トラネキサム酸・ピコトーニング・ルメッカ

色素のお悩みでは、どの施術を選ぶかで迷う方が多くいらっしゃいます。
肝斑かシミかで位置づけが異なるため、ダウンタイムや通う頻度とあわせて、違いを表にまとめました。



※上表は一般的な傾向の整理であり、感じ方には個人差があります。
  カウンセリングで医師にご相談ください。


どの施術が合うかは、肝斑かシミかなど、肌の状態によって異なり、診察で医師が判断します。
以下のコラムもぜひご参照ください。


▶ルメッカ(LUMECCA)とは?京都で受けられるシミ・赤ら顔・くすみ改善の次世代IPL光治療
▶ピコシュア(PicoSure)とは?シミ・くすみ・肌質改善に働きかけるピコ秒レーザー
▶シミが気になったら最初に知っておくべきこと




年末の予定に間に合わせたい。いつから始めればいい?

年末の集まりなど、期日のある予定がある場合は、効果の出方とダウンタイムから逆算して考えることが大切です。まずは診察で、肝斑かシミかを確認してから、始める治療を決めます。

  • トラネキサム酸の内服
    少なくとも1〜2か月ほどの継続が必須です。早めに始めるほど、日程に余裕が生まれます
  • ピコトーニング
    最初は4週間に1回のペースで、効果を得るまでに数回の治療が必要なことが一般的です。
    トラネキサム酸の内服治療と併用することを前提とし、3-5回程度行うことで効果を実感されることが多いです。
  • ルメッカ(シミ・そばかす向け)
    4週間に1回のペースで、3-5回程度続けることをおすすめしております。



レーザー治療で、かさぶたや皮むけが生じた場合は2~4週間程度で改善します。
ルメッカでも、シミの部分が一時的に濃くなり、2〜4週間ほどで薄くなる経過があります。大切な予定の直前は避け、日程に余裕をもたせて、カウンセリングでご相談ください。



治療中は、紫外線対策と、肌を強くこすらないことが重要です。
紫外線の刺激で炎症後色素沈着が起こることがあるため、日焼け止めや帽子で対策してください。



診察から治療までの流れは?

トラネキサム酸の内服の流れは、大きく次のようになります。

  1. カウンセリング・診察:お悩みや服用中の薬、体調を確認します
  2. 処方内容の確認:必要に応じて、血液検査を行います
  3. 内服開始
  4. 経過観察・フォロー:肌の状態を確認します
  5. 継続・調整:経過に合わせて、内容を調整します



ピコトーニングやルメッカは、診察で肌の状態を確認したうえで、施術の内容を決めます。
ご予算や、いつまでに仕上げたいかといったご希望も、カウンセリングでお伝えください。



リスク・副作用・料金

リスク・副作用

  • トラネキサム酸の内服
    吐き気、腹痛、食欲不振、胸やけ、下痢などの消化器症状や、発疹、かゆみなどが生じることがあります。
    トラネキサム酸は、血栓を直接作る薬ではありませんが、血栓を溶かす「線溶」の働きを抑える作用があります。
    そのため、血栓症の既往や家族歴、凝固異常、腎疾患がある方、低用量ピルなどのエストロゲンを含む薬を服用している方、喫煙されている方は、必ず診察時にお申し出ください。
    また、トラネキサム酸を含むほかの薬との重複にも注意が必要です。
    片脚の腫れや痛み、突然の胸痛・息切れ、激しい頭痛、言葉のもつれなどが現れた場合は、服用を中止して速やかに医療機関へご相談ください。

  • ピコトーニング
    施術後に一時的な赤み、ほてり、腫れ、乾燥、かゆみなどが生じることがあります。
    まれに、炎症後色素沈着、水疱、やけど、色素脱失が起こる可能性があります。
    また、頻回または過度な照射によって、まだら状の色素脱失が生じることがあります。

  • ルメッカ
    肝斑がある部位に不適切な出力や条件でレーザー・光治療を行うと、炎症後色素沈着が生じたり、肝斑の色調が濃くなったりする可能性があります。
    施術後に赤み、ほてり、軽い腫れが生じることがあります。
    シミの部分は一時的に濃くなり、マイクロクラストと呼ばれる細かなかさぶた状の反応が現れる場合があります。
    マイクロクラストは無理にはがさず、自然に脱落するのを待つことが大切です。まれに、炎症後色素沈着、水疱、やけど、色素脱失が生じる可能性があります。



料金

  • トラネキサム酸 250mg(1日3回~) 2,200円~
  • ピコトーニング 全顔 通常10,780円
  • ルメッカ 全顔  通常17,000円


※最新の料金は料金ページをご確認ください。



よくある質問

肝斑とシミは、見た目で区別できますか? 

ある程度の目安はありますが、見た目だけで確実に区別できるとは限りません。

肝斑は、頬骨周辺などに左右対称かつ面状に広がる褐色斑として現れることが多い一方、一般的なシミである老人性色素斑は、境界が比較的はっきりしており、左右対称とは限りません。

実際には、肝斑と老人性色素斑、雀卵斑、ADMなどが重なっている場合もあります。
発症した時期や分布、色調、形状などを確認し、医師が総合的に判断します。

肝斑でも、シミ取りのレーザーは受けられますか?

肌の状態や治療する部位によっては受けられますが、施術の種類と照射方法を慎重に選ぶ必要があります。

老人性色素斑に用いるレーザーのスポット照射やIPLを肝斑の部分に不用意に行うと、炎症によって肝斑が濃くなる可能性があります。
一方、低出力で照射するピコトーニングは、肝斑に対する補助的な治療として検討されることがあります。

トラネキサム酸は、どのくらい飲み続けますか?

肝斑に対する臨床研究では、8〜12週間程度の服用期間が設定されているものが多く、効果を評価する目安はおおむね2〜3か月です。

効果の現れ方には個人差があるため、漫然と服用を続けるのではなく、経過と安全性を確認しながら継続や休薬を判断します。

トラネキサム酸は血栓を溶かす働きを抑える作用があるため、血栓症の既往や家族歴、凝固異常がある方、低用量ピルなどのエストロゲンを含む薬を服用している方、喫煙されている方は、事前にお申し出ください。持病や服用中の薬についても、診察時に必ずお伝えください。

ピコトーニングは、何回くらい受けますか?

肝斑を対象としたピコ秒レーザーの臨床研究では、4週間間隔で3〜5回程度の施術が行われていますが、これはあくまで研究上の一例であり、すべての方に当てはまるものではありません。(※2

肝斑は再発しやすいため、回数を重ねればよいというものではなく、肌の反応を確認しながら照射間隔や継続の可否を判断することが大切です。

治療中に気をつけることはありますか?

紫外線対策と、肌を強くこすらないことが重要です。
紫外線の刺激で炎症後色素沈着が起こることがあるため、日焼け止めや帽子で対策してください。

内服やほかの施術と、同じ日に受けられますか?

内服は、洗顔・入浴・メイクの制限がなく、併用しやすいとされています。
熱を加える施術やレーザー治療などは、同日に行わず、一定の間隔を空ける場合があります。
組み合わせの可否や順序は、カウンセリングで医師が診察のうえで判断します。


まとめ

肝斑は、頬骨のあたりに左右対称に広がる色素斑で、シミとは治療の考え方が異なります。
見た目だけでの自己判断は難しいため、診察で区別したうえで治療を選ぶことが大切です。


京都で肝斑やシミの治療を検討されている方は、ご予算や、いつまでに仕上げたいかを、カウンセリングでお伝えください。
内服、ピコトーニング、ルメッカの違いを比べながら、納得できる選択肢を一緒に考えます。



医師監修

米谷 公佑(まいたに こうすけ)
KYOTO K CLINIC 院長 /形成外科専門医 
ECFMG certificated(米国医師資格取得) 
大阪大学形成外科教室出身
Johns Hopkins University・University of Miami 研究歴


引用文献

※1 E D Rosario et al. Randomized, placebo-controlled, double-blind study of oral tranexamic acid in the treatment of moderate-to-severe melasma. J Am Acad Dermatol. 2018 Feb;78(2):363-369.

※2Wi et al. Efficacy and safety of low-fluence 1064 nm picosecond laser with/without micro-lens arrays for melasma treatment: a randomized, split-face controlled study. Lasers Med Sci. 2025 Sep 26;40(1):387.