目が開けづらい、まぶたが重いと感じる症状には、皮膚のたるみによるものと、眼瞼下垂と呼ばれる状態によるものの、大きく2つの原因が考えられます。
「最近、目つきが変わった気がする」「おでこにシワが増えた」
——これらは、単なる肌のたるみではなく、まぶたを開ける筋肉の働きが弱くなっているサインであることがあります。
今回は、この2つの違いとセルフチェックの方法、治療の選択肢についてまとめました。
■ 「皮膚のたるみ」と「眼瞼下垂」は別の状態
見た目が似ているため混同されやすいのですが、この2つは原因が異なります。
上眼瞼皮膚弛緩症(皮膚のたるみ)
まぶたの皮膚そのものが加齢によってたるみ、皮膚が被さることで目が開けづらく見える状態です。
まぶたを開ける筋肉自体は正常に機能しています。
眼瞼下垂
まぶたを開ける「挙筋(きょきん)」という筋肉、またはそれを支える腱膜の働きが弱くなり、まぶたを十分に持ち上げられなくなっている状態です。
皮膚の状態とは別に、筋肉・腱膜側に原因があります。
どちらも「まぶたが重い」「目が開けづらい」という自覚症状は共通していますが、原因が異なるため、適した治療法も異なります。
■ セルフチェックの方法
鏡の前で、以下の点を確認してみてください。
- 指でまぶたの皮膚を軽く持ち上げると、目がしっかり開くか(開く場合は皮膚のたるみの要素が大きい可能性があります)
- 無意識に眉を上げて目を開けるくせがあるか(眼瞼下垂を、眉の筋肉で代償しようとしているサインのことがあります)
- おでこの横ジワが以前より増えたと感じるか
- 顎を上げて物を見る癖があるか
- 夕方になると、朝より目が開けづらく感じるか
眉を上げるくせや顎を上げる癖がある場合、まぶたの筋肉の働きが弱くなっていることを、他の筋肉で無意識に補っている可能性があります。
ただし、これらはあくまで簡易的な目安であり、正確な診断には医師の診察が必要です。
■ 放置するとどうなるか
眼瞼下垂を放置すると、まぶたを持ち上げるために眉やおでこの筋肉を使い続けることになり、それが習慣化することで、おでこのシワや眉の位置の左右差につながることがあります。
また、まぶたを上げようと常に力を使うことで、肩こりや頭痛の一因になっているケースも見られます。
視野が狭くなることで、物にぶつかりやすくなったり、運転時に見えづらさを感じたりすることもあります。
症状が軽いうちは自覚しにくいことも多く、時間をかけて少しずつ進行するのが特徴です。
■ 治療の選択肢
原因によって、適した治療法は異なります。
皮膚のたるみが主な原因の場合、余った皮膚を切除する治療が候補になります。眼瞼下垂が主な原因の場合、緩んだ挙筋腱膜を短縮して縫着し直す治療が必要になります。
皮膚のたるみと眼瞼下垂の両方が併存しているケースも多く、その場合は両方に対応する治療を組み合わせることもあります。
どちらの治療が必要かは、視診や実際にまぶたの動きを確認したうえで判断するため、まずは診察でご自身の状態を正確に把握することが第一歩になります。
■ ダウンタイムと注意点
まぶたの治療は、他の施術と比べてダウンタイムがやや長くなる傾向があります。
術後は腫れや内出血が生じることが一般的で、術直後の症状が落ち着くまでには3~4週間前後を見ておく必要があります。
腫れの引き方には個人差があり、完全に腫れが落ち着くまでには、少なくとも3カ月の時間を要し、傷跡が目立たなくなるまでには3~6カ月の時間を必要とします。
そのため、大切なご予定がある場合は、時間的余裕を持って、ご相談していただくことをおすすめしています。
まぶたの治療は仕上がりの左右差などが気になりやすい部位でもあるため、余裕を持ったスケジュールで検討いただくことが大切です。
■ よくあるご質問
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皮膚のたるみか眼瞼下垂か、自分で判断できますか。
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セルフチェックである程度の傾向はつかめますが、正確な判断には、まぶたの動きや挙筋の状態を実際に確認する診察が必要です。まずは診察で状態を確認することをおすすめします。
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何歳くらいから症状が出やすいですか。
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加齢に伴う変化として40代以降で自覚される方が多い一方、体質やコンタクトレンズの長期使用などにより、より若い年代で症状が出ることもあります。年齢だけで判断せず、気になる場合は相談いただくことをおすすめします。
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症状が軽い場合でも治療した方がいいですか。
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軽度の場合、経過を見ながら判断することも可能です。ただし、代償的な癖(眉を上げる、顎を上げるなど)がすでに出ている場合は、進行している可能性があるため、一度診察で状態を確認しておくと安心です。
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治療後、傷跡は目立ちますか。
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まぶたの傷跡は比較的目立ちにくいとされています。ただし、経過には個人差があるため、診察時に詳しくご説明します。
監修:米谷 公佑(まいたに こうすけ) KYOTO K CLINIC 院長
形成外科専門医 ECFMG certificated(米国医師資格取得) 大阪大学形成外科教室出身
Johns Hopkins University・University of Miami 研究歴
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